フリーランスの支援金について思うこと

2021年5月28日

コロナ禍において、初めて経験したのが、国の各種給付金や支援金関係。
コロナ以前に比べ、収入が減ったフリーランスが対象の支援金はいくつかあり、
緊急事態宣言で多くの仕事がなくなったフリーランスライターの自分も、当てはまるものは申請してきた。

最初に申請したのが、昨年の持続化給付金。
確定申告の書類や身分証明書など、必要書類を揃えて申請し、あっさりと100万円が振り込まれた。

「給付金って、わりと簡単にもらえるんだなあ」

と思っていたら、不正受給が続々と明らかに。
毎日のようにニュースになり、「まあ、いくらでも偽装できるだろうな」とも思っていた。

その後、ライターの友人が「家賃支援給付金もあるよ」「区にもよるけど、健康保険の免除もある」
などと、いろいろ教えてくれた。
阪神大震災経験者である彼女が教えてくれなかったら、まったく知らなかった。
震災の時にもさまざまな給付金で助かったそうで、こういった情報を入手することに長けている。というか、慣れているのだ。

わたしは給付金や支援金の経験がまったくなかったので、

「給付条件に当てはまっていても、自分で情報を探さないと知らない制度がこんなにあるのか」

と、率直に驚いた。

ツイッターでたまたま見かけた一時支援金

いま格闘し、ようやく申請が通ったのが、経済産業省の一時支援金。

一時支援金サイト
https://ichijishienkin.go.jp/

いくつかの条件があるが、フリーランスだと最大30万が支給されるというもので、持続化給付金と似た制度。
ただ、昨年の不正受給が多すぎたため、申請方法や書類がかなり複雑。

わたしがこの制度を知ったのは、たしか4月下旬のGW直前だったかな。
ツイッターで誰かがリツイートしていたツイートを見たのがきっかけ。

「経産省の一時支援金、フリーランスも対象」

と書いていて、「ん? なんだそれは」と経産省のサイトを見たのが最初だった。
緊急事態宣言で仕事に影響が出た、多くの業種が対象とのこと。

宣言が出たことで、対面取材を断られたり、東京都から「県をまたいでの移動は避けて」といわれて地方取材に行けなくなったり、撮影がなくなったりと、吹っ飛んだ仕事も多数。これはちゃんと理由が説明できるし、条件にも当てはまっていたので、さっそく準備に取り掛かることにした。

一番の難関が、「事前確認」システム。不正受給防止のため、税理士や行政書士、商工会、銀行などに、「ちゃんと事業をしているか」「申請資料が揃っているか」「趣旨を理解できているか」をチェックしてもらうというもの。

まず思ったのは、

「そんなこといわれても、誰にお願いすればいいんだよ」

だ。

“事前確認難民”が多数出現

日頃から税理士や行政書士さんにお仕事をお願いしているというフリーランスは、少なくともわたしの周りではそう多くない。以前、数年間税理士さんに確定申告をお願いしていたことがあったので、真っ先にその人にお願いしてみようかなと思ったけれど、そもそも手数料をいくら払えばいいのだろうか。支給額が30万だから、1割かなあ。でも、事前確認だけで、申請は自分でやるから、1万円くらいでもいいのだろうか。

などと考えていたら、登録確認機関は、サイトで検索できるとのこと。
全国の機関が載っているので、まずは自分の住んでいる区で検索してみたところ、数百の機関がみつかった。「対面もしくはテレビ会議で確認」とあるので、Zoomなどのオンラインでやってくれる機関もあるんだな。それは助かる。

そして、よく読むとこのような注意書きがある。

「国から事務手数料(1,000円/件)をお支払いする機関では、事前確認の手数料は無料です」

あ、国からちゃんと手数料払ってくれているのね。その機関にお願いすれば、無料でやってもらえるのか。それは助かる。
にしても、1件1,000円って安すぎないか……?

「約9割の方が無料で事前確認を受けております」
え、9割も無料でやってもらってるの……!? それなら自分も無料でやってもらえるところを探したい。だって、有料のところは手数料いくらかかるかわからないし、定価もないからバラバラだろうし。

「登録確認機関を探す際には、事前に手数料の有無を確認の上で、お決めになることをお勧めしております」
リストに載っている税理士や行政書士の中から、まずは近所の人にあたってみようと思うけど、まず、「手数料はかかりますか?」と聞いたほうがいいってことか。でも、「うちは国からの手数料をもらっていないので有料です」といわれたら、即座に「じゃあけっこうです」というのもなあ……。定価が決まっていないから、いくらといわれるかも検討つかないし。

登録機関リストを見ていると、住所、電話番号、メールアドレス、HPのURLが載っているのだけれど、メールアドレスがYahooやhotmailなど、フリーメールの人も少なくない。ちゃんと毎日メールボックスを見てくれてるんだろうかと思ってしまう。
あと、ocnやbiglobeなどのプロバイダ系のメールアドレスだったり、HPがない機関も多数。これは、地域に根ざしたベテランの士業さんなのではないだろうか……と推測。Zoomなんてとても無理そうな気がする。でも無料でやってくれるかもしれないのに、いろいろ注文するわけにもいかないし。

まずは、HPがある機関から見てみよう。事前確認の申込みについて何か書いているかもしれないし……と見てみると、更新が5年前で止まっていたり、とりあえずサイトはあるけど、ほとんど機能していなさそうなものも多数。

かたっぱしから電話かけるしかないか、と思いながらツイッターで「一時支援金 事前確認」と検索していると、同じようにかたっぱしから電話した人たちの嘆きのツイートが続々と出てくる。

・税理士や行政書士は、顧問先しか受けていない
・銀行は取引先しか受けていない
・商工会は会員しか受けていない

多いのはこのような感じで、ほかにも

「一時支援金? うちはやっていない」と切られた」(じゃあなぜ登録機関?)
「もう受付は終了した」

といった声も。
そして、気になる有料の場合の金額がバラバラ。5,000円というのは良心的だと思うけど、でも「9割が無料」って書いてたし、無料でやってくれるに越したことはないなあと、皆思うであろう。
なかには5万円、6万5千円といわれたケースもあり、「ほんとに9割も無料でやってもらってるの??」と思いながら、「士業の方も手間がかかるし、お仕事だし、国の千円を断って有料でやるのは当然としても、5万ってあまりにも高すぎないか??」と、どんどんわけがわからなくなってくる。

わたしは運良くツイッターで、「無料でやります。Zoom可」と積極的にツイートしている行政書士さんをみつけ、GWは混むだろうと思い、4月末の段階でとりあえず予約。「無料でやってくれるのに不備があってはいけない」と、GW中に要項を何度も読み込み、必要書類をしっかり揃えてから5月10日にお願いした。

画面越しの確認は、10分ほどで終了。
途中、足りない書類があって、仕事部屋に走って10秒で戻り、改めて見せるという場面もあった。

ライターという仕事柄、「なぜ無料でやってくださるのですか?」と疑問に思っていたことを聞いてみると、「お困りの方が大勢いるからです」と即答。この方は千葉県在住の行政書士さんで、Zoomで全国対応していた(現在は受付終了)。

あとからわかったのだけれど、国が登録機関に払う千円の手数料は、実行された支給件数が30件以上の場合、という条件付きとのこと。事前確認に通ったからといって、申請が確実に通るわけではないので、30件通過しなければ0円ということ。

なんだそりゃ……。そんなひどいシステム、アホらしくて協力できない士業の方がいても当然。書類をちゃんと用意していれば10分程度で終わるけど、なかには身分証明書すら手元に用意していなかったり、必須の申請IDや確定申告の書類もなく、「よくわからないから教えてもらおう」みたいなスタンスの人も少なくない模様。挙げ句の果てには「対面じゃなくてZoomでやってくれ!」とブチ切れる人もいる、というツイートも見かけた。善意でやってくれているのに、あまりにもひどすぎる……。

「本業もある上、ボランティアで無料でやってるのに」

と、やるせなくなるのも当然だし、こういう事例を見かけるたびに、信じられない気持ちになる。

そもそも、経産省の「約9割の方が無料で事前確認を受けております」という記述がよくないのではないだろうか。

だって、この一文見ると、「じゃあ無料のところにやってもらおう」って絶対思うし、「5万」なんていわれた日には「(え? 高すぎない??)やっぱりけっこうです」って言っちゃうと思う。でも、値付けは士業の方の自由だから、納得できなければ断ればいいのだけれど、こんな問い合わせが連日大量に来ている士業の方々も、ほんとうに気の毒すぎる。実際、

「有料です、と金額を言った途端、『じゃあいいです』と切られて疲弊する」

というようなツイートも見かけた。

そもそも、電話が鳴り止まなくて通常業務に大いに支障をきたし、「お問い合わせはメールフォームよりお願いします」とHPやSNSでいくら発信していても、かけるほうは全然見ていなくて、「相変わらず電話が止まらなくて困っている」という行政書士さんのツイートもけっこう見かける。

こんな状況なもので、5月31日の締め切りが近くにつれ、事前確認してくれる機関も「予約いっぱいなので締め切ります」と減っていき、「事前確認難民」と呼ばれる個人事業主が多発している。

5月18日の朝日新聞によると、

「一時支援金は10日時点で約22万件の申請があり、約14万件に給付された。想定の160万件に比べて低調だ。不正防止のために事前確認を義務づけたことなどが、申請件数の少なさにつながっているとみられる」

詳しくはこちら。
「一時支援金、5月末締め切りを2週間ほど延長 経産省」
https://www.asahi.com/articles/ASP5L647TP5LULFA02M.html

そりゃこれだけ手間がかかれば、あきらめる申請者も出てくるわなあ……。というか、そもそもこの一時支援金という制度自体が、自分の周りのフリーランスの間で知られていなさすぎる。知り合いには、「こんな制度あるよ。無事申請通ったからやってみたら?」と、コツコツと広めてはいるけれど。

給付金や支援金って、自分で調べて情報をとりにいかないといけないものなんだな、ということを痛感した。

やっておいてよかったこと

以下、これまで複数の申請を行い、やっておいてよかったこと。

●通帳はアナログで
web通帳もあるけれど、紙の通帳をマメに記帳しておいて正解だった。2年以上さかのぼれないweb通帳もあり、2019年と2021年の収入が確認できないケースも多数。古い通帳も取っておいて本当に良かった。

●オンライン会議に慣れておく
コロナ禍で、仕事の打ち合わせや取材もオンラインが激増。主にZoomを使っており、今回の事前確認もZoom対応の機関が多くて選択肢が広がった。対面のみだったら、探すのにもっと時間がかかっていたはず。Zoomなら地方の行政書士さんもけっこう対応してくれる。オンライン会議に慣れていなかったら、申請に必要な膨大な資料を揃えつつ、さらにアプリをダウンロードして操作も覚えないといけないとなると、けっこう気が遠くなると思う。

やっておいたほうがいいと思ったこと

●マイナンバーカードの取得
今まで「別にいいや」と取得してこなかったけれど、これだけオンライン申請が増え、マイナンバーがあったほうが便利な場面が増えてきた。今のところ、なくてもなんとかなるけど、今回指摘された不備修正も、マイナンバーがあればあっさり解決したところ、持っていなかったので税務署に二度出向くことに。持っていたほうがはるかにラク。

事務作業ってほんと苦手だけど、給付条件に当てはまるなら、そりゃ申請しないに越したことはない。

今回の一時支援金で思うことがありすぎたので、思いつくまままとめてみた。

5/31の締め切りが2週間程度延びたので、今からでも間に合う。ただ、申請ID自体は5/31までに発行する必要があり、マイページ上で書類提出期限延長の申込みをする必要がある。

書類自体は、わたしの場合は2日で準備できた。事前確認は、ツイッターで「一時支援金 事前確認」と検索すると、無料・有料含めてみつけることができるので、条件に合う人を探してみるといいと思う。
相談窓口の電話でも、確認機関を紹介してくれるようだけど、いかんせん電話がつながらない。疑問点があって何度かかけたけど、「保留音になって勝手に切れる」の繰り返しだったのであきらめた。締め切り間際なので、これからますますつながりにくくなると思う。

一時支援金サイト
https://ichijishienkin.go.jp/

月末まであと3日。IDの取得はすぐできるし、事前確認をクリアさえすれば、本申請自体はさほど難しくはない。

「30万のギャラが出る」
「日当30万」

と思ってがんばろう!笑。

早く穏やかな日常が戻りますように……!


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