秋晴れの日におすすめ。年に一度の普門館ツアー
2014年10月24日
10月25、26日、いよいよ第62回全日本吹奏楽コンクール中学・高校の部。長かった夏が週末で終わる。杉並の普門館が耐震問題で使えなくなり、名古屋国際会議場での開催は今年で3回目となる。
自分にとって、「夏が終わるのは普門館」が当たり前だったので、名古屋はまだちょっとピンと来ない(でも名古屋メシは楽しみ)。ちなみに某高校のホール練習は岐阜と聞いた。「岐阜かぁ…」と、あまりにも距離感がわからなすぎるのだけれど、東京でいうと、千葉や埼玉のホールで練習するような感覚なのだろうか。
先日、母校札幌白石高校の同期部長と普門館ツアーをしてきた。「飲みに行こう」という話になり、行きたい店は恵比寿だったのだけれど、ふと「普門館が見たい」と思い、「待ち合わせは普門館ね」と提案。部長からは、無論「いいね!」と即返事が来た。
もう、これ見るだけでワナワナしてくる(笑)。高校時代は団体バスで移動なので、大人になってから初めて方南町駅で降りた時は感動した。「普門館は1番出口なのか…!」と。
いつもは環七側から向かってたのだけれど、今回は別ルートで。住宅街を通り抜けてあの巨大な建物が見えてきた瞬間、「うわー!」と大興奮。ほんと、グッとくる建物だわ。いっきに20年前の記憶がよみがえる。
全国大会の表彰式では、「普門館の周りは住宅街ですので、くれぐれも外では『キャー!』とか『ありがとうございました!』などと、大きな声を出さないでください」と必ずアナウンスがあった。ほんと周りに一軒家がいっぱいあるので、駅から自分で歩いてみると、あの歓声はめちゃくちゃうるさかっただろうなぁ……と、改めて思った。
普門館の玄関には、立正佼成会のこんな張り紙がはってある。
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普門館大ホール及びロビー部につきまして天井部位の耐震調査を実施した結果、現行の耐震基準(震度6弱から震度7までの耐震性)を満たしておらず、安全性が確保できないと判断されたため、ホール・ロビーの使用停止、及び立ち入りを禁止とさせていただきます。皆さまにはご不便をおかけ致しますが、何卒ご理解とご協力をお願いいたします。なお、詳細につきましては下記をご覧ください。
合掌
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そうか、宗教団体だから合掌で締めるんだ。
この文書を読んで、「もうほんとに使えないんだなぁ……」としんみりしてしまった。
でも、普門館はまだそこにあるので、年に一度はやっぱり見に行きたい。見るだけなんだけれど、それでもやっぱり、いろいろと感じることが出来るから。なんというか、背筋が伸びる。自分の原点を確認することが出来るというか。
行きたくなるのは決まって10月の秋晴れの日。暑くもなく寒くもなく、カラッと晴れている日。こんな日をわたしは、「普門館な気候」と表現する(笑)。
普門館に憧れの気持ちを持っているのは、今の中学生くらいまでかな。だんだん「目指せ普門館!」ではなくて、「目指せ名古屋!」というようになってくるのだろうか。
永遠にあると思っていたものがなくなるって、なんともさみしい。いやなくなっていないけど。そこに存在しているのに、中に入れない。使うことが出来ない。
と毎年悶々と考えながら、今年も取材で名古屋へと向かうのであった。
全出場校のみなさんが、最高の演奏が出来ますように!
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