第62回全日本吹奏楽コンクール取材後記

2014年10月29日

10月26日、名古屋国際会議場で開催された、第62回全日本吹奏楽コンクールに取材に行ってきた。普門館から名古屋に会場が変わって3年目。朝イチの市立柏高校の演奏から聴くために、前日入り。


「今年はベッタベタな観光をしよう」と、まずは名古屋城へ

25日に開催された中学の部で、前半に出場した学校の生徒たちがいっぱいいた。そうか、出番が午前で終わると、午後は観光出来るのね。制服に出場者用のリボンがついているのですぐわかる。どの子もやり切った顔してたなぁ。

26日、いざ名古屋国際会議場へ。すんごい巨大な像がある。


レオナルド・ダ・ヴィンチ作「幻のスフォルツァ騎馬像」

ちなみに、材質はFRP(強化プラスチック)。スーザフォンと同じ素材(豆知識)。

2013年より審査方法が変わり、現在は以下の方法で審査されている。

 全国大会ではプロ演奏家、作曲家などによる審査員9人により評価されます。2013年度から評価方法が変更され、課題曲と自由曲を総合してA、B、Cの3段階の評価をします。審査員に与えられるABCの数はあらかじめ決められており、審査員5人以上がA評価であれば金賞、過半数がC評価であれば銅賞、それ以外は銀賞とする判定基準のもと、各団体の賞を決めます。

朝日新聞デジタル「全日本吹奏楽コンクールとは」より
http://www.asahi.com/edu/suisogaku/brass/about.html

今年も、朝イチの市立柏高校から、全部聴いた。

ツイッターでも書いたけれど、もう、どこの学校もうまい。下手なところなんてひとつもない。けれど、前述の通りの方法で審査しなければいけない。それがコンクールというものだから。

自分の取材メモを振り返る。しょうもない感想もあるけれど、そこはごめんなすって。

前半の部

「柏はまさかの2年連続朝イチだけど、今年もどうか金賞を! 後半につれて勢いが増してきた」「岡山学芸館はホルンがうまい」「習志野は特に木管がうまいなぁ。自由曲ではチューバ1本だけ最上段に上ってるのが興味深い」「春日部共栄は個々の技術力が高い」「光ヶ丘女子は、パーカッションが最上段で、課題曲はスネアの輪郭がくっきり」「伊予のセッティングは昔からなじみある並びでホッとする」「愛工大名電はユーフォ3本で課題曲の対旋律がはっきり聴こえて好き」「東海第四の課題曲は歌い方が抜群。ものすごい安定感」「武生商業は異色の存在」「福岡工大付属城東は、昨年の九州大会無念のタイムオーバー失格を乗り越えての出場なので、どうか悔いのない演奏を!」「東海大高輪台は、みんないい楽器使ってるなぁ…」「玉名女子はとてもきれいで流れるような演奏。同じ九州の精華女子とはまったく違った魅力」「お、防府西で今大会初の斎太郎節。やっぱ鉄腕ダッシュのBGM、2011年課題曲『天国の島』と似てる」「湯本はめちゃくちゃ勢いあるなー」「大阪桐蔭、弦バスが4人もいる。今までのキャンディードで一番うまい!」

後半の部
「埼玉栄は壮大で雄大。ラストの盛り上がりがすごい」「札幌日大はもう少し抑えるところがあってもよいのでは」「明浄、難しい曲をバランスよく吹き切った」「伊奈学園、前列のフルートが全員足をぴったり閉じててとても優雅。見た目も大切。金管木管のバランスがいい」「高岡商業ドン・ファンか。ぜひ甲子園でも応援見てみたい」「精華女子、吹いてる途中にステージ裏で次の学校何か倒したような。ガシャーンって聴こえた。打楽器、鍵盤3人揃って叩く姿が壮観。ラストの盛り上がりすごい。ブラボー一番多い」「平商業、譜面カバーが緑で目立つ。ここも弦バス4本」「横浜創英、激戦の東関東を勝ち抜いただけあって素晴らしい。見事な演奏」「安城学園、サロメ懐かしい。しっかり丁寧に、きれいに吹いてる」「磐城、迫力あるディオニソス。クライマックスの“ため”がいい」「就実、華やかな演奏。コントラバスクラ、立って吹いてる」「高知西、あれ、ここ『桐島、部活やめるってよ』の舞台になった吹奏楽部だよね? グロッケンの叩き方が凛としていい。男子が学ランなのもなんだか懐かしい感じ」「淀工は言うことなしの、王者の風格。クラリネット11人もいる」「ラストの片倉、先生の指揮がぐるんぐるん回ってる。チューバ4本いると低音充実していいなぁ」

あくまでもわたしの目線なので、プロのような解説は出来ない。ただ、自分も全国大会経験者なので、演奏はもちろんのこと、生徒たちの立ち居振る舞いや言動、スカート丈の長さや髪型なども気になって、いつも注目している。

ゴールド金賞は8校。
みんな、この場には金賞を目指してやって来る。「めざせ銀賞!」なんてないのだ。みんな絶対に金賞が取りたい。

どの演奏もほんとうに素晴らしくて、何度も涙が出た。全校の演奏、とてもとても心に響いた。けれど、審査をしなくてはいけない。

コンクールって、酷だなぁ……と思った。自分も通ってきた道だけれど、酷だと思うのは、大人になってから気づくことなのかもしれない。

わたし的には、29校全部がゴールド金賞! 間違いなく。

今年は府大会や東関東大会や都大会、そして「ブラバンde甲子園」で野球の吹部応援も千葉県大会やら埼玉県大会やらあちこち追っていたので、夏が終わるまでずいぶん長く感じた。

と思ったら、まだマーチングが残っているのか…!

いやー、秋はほんと吹奏楽部のオンシーズン。

マーチングも、11月2日の日本管楽合奏コンテストも、みんな最大限の力を出し切って、最高の演奏をしてほしいと願うのみ。

がんばれ現役生!


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