ポメラニアン俊介の思い出

2017年10月20日

10月17日、ポメラニアンの俊介が、天国へと旅立った。

ここ数日、ツイッターで投稿を見かけなかったので心配で、「俊介ももう15歳だけど、変わりないかな」などと、家でよく家族と会話していた矢先のことだった。

17日夜、飼い主さんから電話をいただき、出張先の奈良で泣いた。


2010年、2011年の『CREA Dog』で表紙を飾った

俊介は、『CREA Dog』の表紙になったのを機に人気が爆発。
もともと犬専門誌の編集出身のわたしは、2005年にフリーになってから、長いこと『CREA Dog』の編集とライティングを担当していた。
2010年にツイッターで俊介の写真を見かけ、あまりのかわいさに即連絡を取った。

犬専門誌時代、わたしは誌面に登場してくれるモデル犬の選考を担当しており、毎日編集部に届く大量の応募写真の中から、美人犬、カッコいい犬、個性的な犬、ブサかわな犬など、ドッグモデルとしてキラリと光る子を常に探していた。

わたしがツイッターを始めて数ヶ月経った頃、偶然ツイッターで見かけた俊介に、ひと目で釘付けになった。「なんだこのかわいすぎるポメラニアンは……!!」と。直感で「絶対スター犬になる」と思い、飼い主さんにDMを送り、撮影交渉。快くお受けくださった。

当時、俊介のツイッターのフォロワーは、数百人だったことを覚えている。同誌での露出を機に、あっという間に人気者に。その人気は国内だけにとどまらず、世界中で大人気となり、フォロワー数は16万にまでなった。

当時、犬雑誌の表紙を飾る犬は、ソフトバンクのお父さん(カイくん)などのタレント犬か、誰が見てもかわいい子犬、あるいは、チワワやトイプードルなど小型犬で、年齢はせいぜい3歳くらいまでというのが相場だった(年をとると顔が白くなるため)。

俊介は2010年当時、すでに7歳。もう「シニア犬」と呼ばれる年齢になっていたのだけれど、この黒々とした瞳に柴犬カットで、まるでぬいぐるみのような愛らしさ(のちに、本物のぬいぐるみとなる)。「絶対に俊介はいける!!」と編集部で力説し、表紙に大抜擢された。素人の一般犬が表紙になるということは、それまでの同誌では考えられないことだったのだ。

ちなみに、黒い蝶ネクタイはうちの夫のもの笑。「小さな俊介が大きな蝶ネクタイしたらかわいいかなー」と思って、撮影に持参したのだ。

その後の俊介人気はすさまじかった。
わたしのもとにも、さまざまなメディアや企業から「俊介くんを紹介してほしい」と連絡があり、一時期マネージャー代わりのような感じだった。テレビCMや企業のタイアップなどなど、あちこちからほんとうに引っ張りだこで、原稿を書くよりも、俊介の対応で忙しい日々だった…笑。

今でこそ、SNS発で人気になった犬や猫はいるけれど、俊介はその元祖。
飼い主さんが撮る写真は、誰が撮る写真よりもかわいくて、素の俊介の魅力が一番引き出されていた。そして、添えられるコメントがいつも絶妙で、ツイッターの投稿がとても楽しみだった。


撮影の様子

俊介の名前は、サッカー選手の中村俊輔から命名。撮影でも、自前のユニホームを着て、ヘアバンドまで装着という完璧なスタイル。


毎年カレンダーにもなっていた

犬との別れはいつかは訪れるもの。わかってはいるものの、やはり辛く、悲しい。
知っている犬猫や、仕事で接点のあった子たちなら、なおさらだ。

かわいいかわいい俊介、たくさんの笑顔と思い出をありがとう。
愛くるしいお顔とはうらはらに、実はかなりの内弁慶。おうちにおじゃますると、いつもいつも吠えられたのもいい思い出だよ笑。

天国で、うちのてっちと凛太と遊んでね!


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