スゴすぎて驚いた! 函館蔦屋書店の衝撃

2015年2月3日

先週、仕事で札幌と函館に出張していた。函館に行ったのは10年ぶりくらいだろうか。駅もすっかり新しくなって、昔の光景がまったく思い出せなかった。

執筆中の新刊『だし生活、はじめました』(仮)の昆布取材で行ったのだけれど、アテンドしてくれた友人に「どこか行ってみたいところある?」といわれて、迷わず「函館蔦屋書店に行きたい!」とリクエスト。ハリストス正教会でもなく、「世界三大夜景」でもなく(笑)。

函館市街から車で20分くらいだったかな。何にもないガラーーーーンとしたところに、突然「蔦屋書店」の看板が見えてくる。その唐突感にちょっと驚く。


で、デカい……!!

店内は撮影禁止だったので、店内の様子は公式サイトの写真をどうぞ。

函館 蔦屋書店 公式サイト
http://www.hakodate-t.com/about/

「大人のための文化の牙城」というコンセプトで代官山 蔦屋書店がオープンしたのが2011年のこと。そのDNAを引継いでいるのが、函館 蔦屋書店で、代官山蔦屋がオープンした2年後の2013年に誕生。個人的には「なんで函館に作ったんだろ」と思っていたし、ネットでも話題になっていたので気になっていた。

友人に「ここはもともと何があった場所?」に聞いたところ、「何もなかったよ」とのこと。そうだよなー。周りにも何もないし。建設中の頃、あまりにも巨大な建物で、「何が出来るの?」「イオン!?」などと、ずいぶんと話題になっていたのだそう。函館市内にイオンはなく、というか函館市が出店を断っているそうで、友人いわく「若い人はみんな市外、郊外に買い物に行く」とのこと。市内で買い物したいお店がないのだそう。たしかに、函館駅前は閑散としていて驚いた。人がいない。駅前のデパート「棒二森屋」も活気がなく、人がいっぱいなのは、人気ご当地バーガーの「ラッキーピエロ」くらいだ。

以下、函館 蔦屋書店のサイトに書いてあった文章。

もう、商業施設をつくるだけで、地域がいきいきとする時代ではありません。
買い物だけならネットでもいい。求められているのは、ゆっくりと過ごせる空間でした。
本とおいしいコーヒーがあって、家族や友達とおしゃべりしたり、子どもたちもワイワイできる場所。
学校や職場以外の、いわゆる第三の活動の場としても使える。働く人たちが、お客さまと名前で呼び合うようないい距離感もできる。
ものを買う場所は、ヒトもコトもつながる場所であるべきだと思います。函館蔦屋書店がめざすのは、これからの時代のスタンダード。
地域のみなさんが気持ちよく過ごせる”居場所”になります。

札幌や旭川、釧路などにある本、音楽、文具、飲食の全国最大規模の複合店「コーチャンフォー」がないのも、蔦屋書店が函館に出店した理由のひとつかもしれない。

それにしても、驚いたのは建物の大きさだけではなく、その中身。陳列している本の種類も代官山とほぼ変わらない。規模だけ10倍になっている、という印象。マーガレットハウエルの雑貨や北欧デザインの食器、人気のキッチングッズなども充実。大きなコスメコーナーもある。「今までは雑貨などをネットで見ても、実物を見る機会がなかったからほんとうれしい!」と、友人もとても喜んでいた。子どもが遊べる滑り台やおもちゃもあるし、モーニングが食べられるレストランもある。朝7時から夜中の1時までやっていて、函館近郊の若い人たちやファミリーは、完全にライフスタイルが変わったと思う。ほんと、1日中楽しめるのだ。

代官山蔦屋にはスタバが併設されているけれど、函館蔦屋にもある。都内のスタバは「いつ行っても満席で座れない」という店も多いけれど(わたしがそう感じているだけか?)、函館蔦屋は建物が大きい分スタバも広く、さらに店内のあちこちにベンチがあって、どこでも飲めるのもうれしい。そして、なんといっても圧巻なのが、立派な暖炉! 暖炉がある書店なんて、なんと素敵なのだろうか。暖炉の周りにもベンチがあり、そこでスタバのラテを飲みながら本を読むことが出来るのだ。なんという贅沢な空間。

駐車場も広く(650台。もちろん無料)、お客さんは老若男女いるけれど、おしゃれな若者も多かった。店内はほんと東京と変わらなく、本や商品の充実ぶりがうらやましい!! と思った。ちなみに友人夫婦は、「代官山にはこんなおしゃれで大きな本屋があるのか。さすが東京!」と言っていたけれど、いやいや違うから(笑)。代官山は函館の1/10くらいの大きさで、函館のほうがはるかに大きいから(笑)。

店内では料理やハンドメイドなどのイベントもしょっちゅう行われている。イオンもコーチャンフォーもない函館のみなさんは、こんな文化発信基地に飢えていたのだろうな、と思った。素晴らしいお店だった。

ちょっと(いやかなり)度肝を抜かれるレベルだったので、函館方面に行く機会のある出版関係者の方は、ぜひ立ち寄ってみることをおすすめします!


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