あまりにも熱すぎる夏が、ひとつ終わった。

阪神甲子園球場。去年よりツタが伸びてる

朝日新聞吹奏楽事務局（@AsahiBrass）と一緒にツイート中継した、「ブラバン de 甲子園」。おかげさまで、たくさんの人に楽しんでいただけたようで、予想以上の大成功でうれしい限り！　吹奏楽事務局アカウントの中の人ともども、大変喜んでおります。盛り上げてくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました！

開会式。手前が関西吹奏楽連盟による音楽隊

8月9日の開幕式が、台風直撃で11日に順延に。そのまま大阪に残ることになり、大雨の中、急きょ吹奏楽コンクール大阪府大会を見に行ったのが遠い昔のことのようだ……。

智弁学園の人文字。圧巻！

琵琶湖ブルーに染まる近江アルプス

球場で配られた、阪神甲子園球場90周年記念メダル。甲子園の土入り！

ショップには全出場校の校名入りグッズがいっぱい

閉会式。ここに混ざって吹きたい

甲子園で観戦した3日間＋、残りはテレビ観戦。2週間、びっちり観戦した。外に出る仕事を極力入れず、打ち合わせの日程はぜんぶ決勝戦終了後に調整（笑）。当初は、「1日だけ甲子園からツイート中継しよう」という話で、組み合わせ抽選を見て、吹部強豪の春日部共栄と富山商業が出る初日に行くことに。その後、「おもしろいのでもう1回行ってよし！」と朝日新聞の偉い人から許可が出て（ﾜｰｲ♪）、再び15・16日も現場から中継した、という経緯がある。以下が、現地で観戦した試合。

8月11日（月）
第1試合　龍谷大平安（京都）‐春日部共栄（埼玉）
第2試合　坂出商（香川）‐敦賀気比（福井）
第3試合　日大鶴ケ丘（西東京）‐富山商（富山）

8月15日（金）
第1試合　明徳義塾（高知）‐智弁学園（奈良）
第2試合　開星（島根）‐大阪桐蔭（大阪）
第3試合　二松学舎大付（東東京）‐海星（長崎）

8/16（土）
第1試合　鳴門（徳島）‐近江（滋賀）
第2試合　城北（熊本）‐東海大望洋（千葉）
第3試合　東海大相模（神奈川）‐盛岡大付（岩手）

テレビではアルプススタンドはチラッとしか映らないため、現地でしかわからないことってたーーーっくさんある。テレビと現地とでは、当然ながら音の聴こえ方もまったく違う。といったこともふまえた上で、特に印象に残った応援のことなどを。

龍谷大平安
オリジナル曲にこだわる姿勢に大拍手！　特に、「怪しいボレロ」は名前も曲も素晴らしい。CD化の話も来ているのだけれど、「オリジナリティを大切にしたい」との理由から、すべてお断りしているとのこと。最近はマネをして吹く学校も増えてきているが、「曲が有名になるのはうれしいこと」と顧問の先生。

春日部共栄
吹奏楽コンクール全国大会常連の強豪校。オリジナル曲は10曲ほどあり、すべて顧問の都賀城太郎先生による作曲。今大会では「ガッツ」と「WIN」の2曲を演奏。コンクール直前ということもあり、Aチーム「翔」は練習に専念。今回応援に駆け付けたのは、Bチームの「希」。さすがのクオリティで会場に花を添えた。ちなみにみんながかぶっている麦わら帽子は春日部の特産品で、田中帽子店が手掛ける。

敦賀気比
吹奏楽部は少な目で、とにかく声の応援が野太く、男声応援団という感じ（笑）。アフリカン・シンフォニーも相当な骨太。

富山商
吹奏楽コンクール全国大会に30回以上出場経験のある強豪＆古豪。前日に行われた北陸大会では残念ながらダメ金で代表入りを逃す。生徒たちは朝5時に出て、全員で甲子園へ。コンクールの悔しさをぶつけるかのような「野球部は絶対勝つ！」という気迫がビシビシと伝わってきて、見事快勝。演奏レベルの高さはもちろん、曲に合わせた楽器の動き、こぶしをかざしながらの「 闘志を燃やせ！T・O・M・I・S・H・O 富商！」という掛け声など、トータルのクオリティがとても高く、古豪野球部の応援の完成度の高さを目の当たりにした。感動。

明徳義塾
何といっても、出場するたびにツイッターで話題になるハイトーントランペットが有名。思い切って直撃取材を試みる。応援演奏は、マーチング部の現役生＋顧問の先生が卒業した音大時代の仲間たちなどで構成。噂のハイトーントランぺッターは、元「リディムサウンター」というバンドで吹いていたアニキ氏という方で、現在は明徳が甲子園に出場すると決まると練習を始め、甲子園に足を運んでいるとのこと。とにかく1回から9回までバテずに高音を吹き続けるのがすごすぎる。「なぜハイトーンを吹きつづけられるのですか？」と聞いてみると、「オレにもわかりません。正直唇はすごい痛いです。でも、点が入るとこっちも気合いが入って吹き続けられる」とのこと。アニキ氏は高校野球が大好き（プロ野球はまったく観ない）で、明徳のアルプスで吹くのを心から楽しみ、懸命に応援している様子が伝わってきた。

大阪桐蔭
今回の優勝校。吹奏楽部も強豪で、コンクールもマーチングも、ともに全国常連。大人数にも関わらず、音が荒れることはまったくなく、常にシンフォニックな響きを大切にしている。まるで甲子園で吹く定期演奏会のよう。他の学校はあまり吹かない嵐の「Happiness」、「上からマリコ」などが有名だが、マーチの名曲「サーカスビー」をやるところもマーチング強豪校らしい。クレッシェンドがはっきりとわかる「Happiness」が特に好き。アルプスではとにかくffで吹き鳴らす学校が多い中、同校の演奏はダイナミクスを大切にしているのが印象的。“応援”の前に、ちゃんと“音楽”なのである。

近江
今回、現地で一番の収穫だったのが「平和堂」を知ることが出来たこと。アルプスで野球部員が「平和堂」と書かれたプラカードを掲げた瞬間、朝日の記者さんと「平和堂？」と顔を見合わせた。聴くとどうも、キャッチーなフレーズやラストの終わり方がCMっぽいような……。顧問の先生に聞いてみると、「『滋賀県を代表する曲とは』と考えた時に、滋賀県民はみんな知ってるスーパー平和堂のCMソングを思いついた」とのこと。滋賀県内やツイッターでも大変盛り上がったが、残念ながら次の試合では演奏されず……。定期演奏会では演奏するとのことなので、お近くの方はぜひ！

東海大相模
マーチング強豪校。クシコシポストやドミニク、第九など、曲のセレクトが独特でおもしろい。そして応援団の迫力がすごい！吹部のうまさと応援団の大太鼓の力強さが見事に融合し、まるで大学野球の応援のような大迫力。やはり野球と吹部がどちらも強豪だと、応援のレベルがとにかく高くて大満足。見ていてとても楽しい。

東海大望洋
部員にまじってトランペットを吹きならしていた顧問の曽根勘九郎先生は、東海大相模高校出身。高校時代は前述のように応援していたそう。吹奏楽部のセッティングが、金管前列・木管後列と変わっているのが気になり先生にたずねてみると、雨対策だった！ 「降ったら逃げろ！」の合言葉で、雨が強くなったら中に逃げ込むようこの並びなのだそう。さすが応援慣れしてる学校ならではの工夫。パーカッションが9人体制と多く大迫力。阪神のチャンステーマが流れ、阪神ファンの朝日新聞吹奏楽事務局アカウント中の人が大興奮。

東邦
全日本吹奏楽コンクールに第1回目から出場している超古豪。現在はマーチング強豪として特に知られている。なぜか応援歌がロッテばかりと話題に。ロッテの応援団長も「東邦のロッテは完璧」と太鼓判を押しているそう。

東海大四
全日本吹奏楽コンクールに30回以上出場する古豪。今回はコンクールシーズンにつき四高の吹奏楽部は来られず、応援は系列校の東海大仰星（大阪）が担当。こちらも、関西大会出場常連の強豪校。府大会での演奏を聴いて、全国でも十分通用するレベルと思った。ハイレベルな演奏で、同校は見事初戦突破。

山形中央
コンクール東北大会常連校。「カモンマーチ」がとてもカッコいい。もともとは日大三高が吹いていた曲を取り入れたそう。「アナと雪の女王」も演奏。

三重
完全にサンバでカーニバルな底抜けに明るい応援が特徴的。サンバホイッスルとアゴゴベルで、サンバ感を演出。「レッツゴー三重」「ヴィクトリー三重」などのノリのいいオリジナル曲＋早稲田の応援歌「大進撃」などを取り入れている。応援全体の一体感が素晴らしく、大阪桐蔭での決勝戦も、三重を応援する一般客が大勢いたという。

以上、駆け足ですがざっくりとまとめてみました。熱い2週間が終わってまるで抜け殻のようです……（笑）。

ハッシュタグ「#ブラバン甲子園」でツイート中継の様子が見られますので、興味のある方はぜひ！

余力があれば後日まとめたいと思いますー。

さて、次はコンクール！

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