なぜ甲子園の応援歌は懐メロが多いのか?

2012年8月13日

毎年甲子園シーズンになると、
「なぜ甲子園の応援歌は懐メロが多いのか?」と考える。

というツイートをしたところ、
ものすごい数リツイートされたので^_^;、
補足してまとめてみようと思う。

なお、最初にいっておきますが、
わたしは中高と吹奏楽部の強豪校で過ごしているため、
目線がかなりマニアックですw

多くの学校が演奏するおなじみの応援歌である、
「夏祭り」「パラダイス銀河」「サウスポー」「タッチ」
「宇宙戦艦ヤマト」「ポパイ・ザ・セーラーマン」「暴れん坊将軍」etc……。

見事なまでに懐メロのオンパレードだけどw、
おそらく現役高校生たちはどの曲も知らないだろう。
テレビの「懐かしの歌謡曲」番組なんかで耳にするくらいで。

でも、どこの学校もだいたい同じ応援歌を吹いている。

「野球部と吹奏楽部の両方が全国レベルの名門」
という高校も中にはあるけれど、
(今回でいうと、大阪桐蔭、愛工大名電、天理など)
そんな学校はほんの一握り。
そして大抵、部活動に力を入れている私立高校。

吹奏楽部がさほど強くない学校は、

「部の予算がない=新しい楽譜が買えない=昔の楽譜をずっと吹き続ける」

ということと、かつ、テレビ中継で毎回見る高校の応援歌が、
たいてい前述のとおりの曲がほとんどなので、
「うちの学校もコレやって!」と、
野球部が吹奏楽部にリクエストをしていることも考えられる。
(楽譜はコピー禁止。お金出して買わないといけません)

強くないと予算がつかないのは、
オリンピックも高校の部活も一緒ですな。

あと、おなじみの応援歌を収録した
「ブラバン甲子園」というCDが発売されていることも
少なからず影響があると思う。

親世代の昔の歌謡曲が、
「高校野球の応援曲」として定着したんだろうな。

本日8月13日(月)の二回戦、大阪桐蔭高校×木更津総合高校の試合を見てて
大阪桐蔭が、他校ではほとんど演奏しない
AKB48の「上からマリコ」やSMAP、嵐など、曲のバリエーションが豊富なのは、
吹奏楽部も強豪で予算があるということと、マーチングも全国常連校につき、
「市民コンサート」的な一般のお客さんが聴きに来る演奏会や、
パレードへの参加も多く、ポピュラーな曲を演奏する機会が多いのでは、と推測。
(吹奏楽を知らない人が聴きに来る演奏会では、
みんなが知ってるポピュラーな曲を演奏することが多い)

そしてもうひとつの疑問が、

アフリカン・シンフォニーは、
もはや全出場校が応援歌に採用しているのでは?」

という点。

Wikipediaによると、この曲は
智辯和歌山が甲子園で演奏したのが
最初といわれている。

以下抜粋。

「日本で広くこの曲が知られるきっかけになったのは、
1987年に智辯学園和歌山高校野球部が
第69回全国高等学校野球選手権大会に初出場した際、
同校吹奏楽部顧問の吉本英治がアレンジして応援曲として採用した事による」

推測するに、甲子園常連の智辯和歌山が勝ち進むたびに
テレビ中継でこの応援歌が流れる訳で、
自宅で観戦している全国の高校球児たちの耳に残り、
先ほど同様、野球部が吹部に「うちもアレやって!」とリクエストして
広まっていったのではないのだろうかと。

わたしがこの曲を初めて聴いたのは、たしか10歳。1986年くらいか。
当時中学生だった姉が所属していた吹奏楽部の演奏会で聴いて、子ども心に
「なんてカッコいい曲なんだ!」と感動したのを今でも鮮明に覚えている。

今思えば、北海道大会銅賞クラスの中学校だったので
大した演奏ではなかったんだろうけど^_^;、
当時は「プロの演奏みたいだなぁ」と思っていた。

そんな田舎の中学生が吹いていたくらいなので、
曲の難易度は高くはない。

そして、この「アフリカン・シンフォニー」をいま、
野球の応援以外の演奏会で聴くことも、あまりない。

個人的な意見としては、この曲は
「昔流行った曲(ニューサウンズ・イン・ブラス)」なので、
今あえて演奏する理由もあまりなく、
甲子園だけで脈々と受け継がれているという、ちょっと不思議な曲なのだ。

でも、アルプススタンドでは最も映える曲だと思う。
「オーオー、オオオーオオオーオオオー」と、応援隊も歌いやすいし。
JPOPや歌謡曲よりも迫力あるし。

しかし大阪桐蔭や天理は、応援見てるのも楽しいねぇ。
吹奏楽部のレベルが高いから、中低音の厚みが全然違う。
あと、リズムの取り方が洗練されている。うまいなぁ。

ずらりと並んだスーザフォンにも、思わず目が行く。

この楽器が並んでいるってことは、マーチングをやっている学校、
もしくは予算のある吹奏楽部ってことですw

あぁ、マニアックな見方ですんません。
吹奏楽部の強豪校で育つと、どうしてもこういう目線になってしまうのだ。
(わたしだけじゃあるまい!!!)

一度でいいから甲子園で吹いてみたかったなぁ。
母校は、吹奏楽部は強かったけど、野球部は弱かったので、応援経験なし。

ま、わたしはファゴット吹きだったので、いてもあまり意味ないから(楽器傷むし)
タンバリンで参加してみたかったわ(笑)。

以上、夏休みの自由研究でした!

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2件のコメント

CREA web からこちらに初めて来ました。吹奏楽部で一度甲子園!という気持ちよくわかります。我が部は40名に足らずコンクールの予選すら参加できなかったため、せめて運動部の応援をしたかったのですが、当時は硬式野球部もなく卒業後、できたものの今は廃校になりスポーツセンターになっています。今年の高校野球の予選決勝戦を見に行きましたが、相手チームの吹奏楽が、こちらの校歌が流れていてもお構いないに演奏し、球場アナウンスが流れていてもかき消すように演奏していたので「先生が注意しないのはなぜ?」「ひょっとしてわざと?」と思いました。  

by ぶー on 2012年8月17日 at 12:35 PM. 返信 #

ぶーさん

コメントありがとうございます!
CREA WEBの連載見てくださったんですね。
うれしいです。

>相手チームの吹奏楽が、
>こちらの校歌が流れていてもお構いないに演奏し、

それはちょっとひどいですねぇ…。
そこは、きちんとマナーを守るべきだと思います。
スポーツなんですから、フェアにいきたいものですね。

by 梅津有希子 on 2012年8月19日 at 3:08 PM. 返信 #

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