「チコちゃんに叱られる!」出演裏話
2024年7月6日
2024年7月5日、NHKの人気番組「チコちゃんに叱られる!」にVTR出演した。
テーマは「なぜ高校野球の応援曲は懐メロが多い?」。
見終わって真っ先に思ったのは、「いやー、感慨深い……」に尽きる。
本格的に甲子園取材を始めたのが2014年のこと。
当時、吹奏楽の応援にスポットを当てるメディアは皆無。中高時代熱心なブラバン少女で、現在執筆業の自分としては、「大切なコンクールの時期に、球場で一生懸命仲間を応援する吹奏楽部にも光を当てたい」と、文藝春秋のNumber編集部に売り込み、約10年間記事を書き続けてきた。
まさか10年後にチコちゃんが取り上げてくれるようになるとはなあ…泣。
NHKのスタッフからメールで出演依頼が来たのが3月のこと。
これまでにもNHKの番組からは何度か出演依頼が来ていたこともあり、「今度はなんだろ」と本文を読み進め、「チ、チコちゃん……!?」と思わず五度見した。
ついにチコちゃんで応援を取り上げるのかー。しかもテーマは「なぜ高校野球の応援曲は懐メロが多い?」。
まさに9年前、このテーマでNumber Webで記事を書いたのだ。
「なぜ甲子園の応援歌は懐メロが多い?
アルプス席の吹奏楽部を徹底検証!」
https://number.bunshun.jp/articles/-/823926
2015年からNumber Webでを書き始め、これが3本目の記事。まだまだ初期の頃。
この時の内容に、番組側で実際の応援映像を流し、元高校球児たちや高校野球ファンのコメントを取材して構成。
複数の高校や六大学からも昔の写真も借りたりと、ほんとうに時間と手間をかけて作っている。
ディレクターさんに
「7月の放送で3月に依頼が来るって、めちゃくちゃ早いですね」
と言ったら
「チコちゃんはCGの処理に時間がかかるので、進行が早いんです」
とのこと。
あー、なるほど。
あの
「ボーツと生きてんじゃねーよ!」
は、やっぱり時間がかかるんだなー。
と納得するとともに、「さすがNHKだな」と。
近年、さまざまなコンテンツが「チャチャっと作って間違いだらけのまま出す」というものがあまりにも多すぎて、
コタツ記事や誤字だらけの記事を見るたびうんざりしていただけに、
「さすがしっかり作っているんだなあ……」と、スタッフの姿勢にとても感銘を受けたのであった。
番組にも登場した懐メロランキングは、梅津調べ。
「2023年応援懐メロ曲ランキングTOP5」
1位 サウスポー
2位 ルパン三世のテーマ
3位 紅
4位 パラダイス銀河
4位 狙いうち
これも今年の3月、毎日甲子園でセンバツ取材したあと、ホテルに戻って2023夏の甲子園の取材メモを見ながらコツコツと集計。
毎回全出場校取材しててほんとよかった。こんなの番組側が全出場校の試合映像を9回までつぶさに見ながら、すべの演奏曲を数えるって、めちゃくちゃ大変よ笑。
ちなみに、このランキングは懐メロだけに振り切っているのでこのような結果。
すべての曲を考慮した総合ランキングでいうと、1位は「アフリカン・シンフォニー」だった。
放送直後から、SNSやリアル知人からさまざまな感想が届いてるけれど、一番嬉しかったのが吹奏楽部の顧問や、吹奏楽連盟の理事の先生方からの声。
とある先生からの、
「野球応援、昔は単なるBGM扱いだったけれど、今は立派に高校野球の一部になったということですね」
というコメントがとても響いた。
吹奏楽の応援、立派に一部になったどころか、ないと成り立たないくらい。
甲子園では、全国の吹奏楽部の先生方や生徒たちといろんな話をする。
「今回は新しいチャンステーマ作ってきました」
「今年おもしろい応援どこかあります?」
「どこもやっていない曲、なんかないですかねぇ」
といった応援曲の相談から、
「今年のコンクールはこの曲やるんです」
「野球応援の記事がきっかけで部員が増えました!」
といううれしい報告。
そして時には、初出場校から
「初めての甲子園なので、どんな応援をすればいいのかまったくわからない」
「どうやったら特徴や個性を出せるのか」
「吹奏楽部が少ないので、友情応援を頼みたいがどうしたらいいのか」
といった相談を受けたことも。
などなど、この10年、いーーーーーっぱいいろんな話を聞いてきたので、そんな先生方が喜んでくださって、ほんとうに感慨無量……。
吹奏楽部の活動の1つである野球応援。
そしていよいよ、今年のコンクールも始まる。
2024年も、高校生たちの熱い夏をしっかり見届けたいと思います!
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