コンクール、マーチング。夏を終えた3年生のみなさんに伝えたいこと。

2014年9月28日

先週、全国で最も遅い吹奏楽コンクールの支部大会、東京都大会の取材に行ってきた。


東京都大会、東関東大会のパンフレットと、会場で配っている主催の朝日新聞・コンクール特集別刷

大会によって、パンフレットってけっこう違うのだ。都大会は、過去の課題曲リストが載ってたり、なかなか資料性が高くて読み応えアリ。そして広告が多くて、さすが東京だなぁと思ったり。

夏は吹奏楽部のオンシーズン。全国各地でコンクールやマーチングコンテストの予選が繰り広げられ、勝ち進めなかった場合は、そこで終わりになる。たとえ金賞を取れたとしても、先の大会に進めない金賞のことを、全国共通で「ダメ金」と呼ぶ。これ、一体いつからある言葉なのだろうか。少なくともわたしが吹奏楽を始めた中学のときにはあった言葉。誰が言いだして、どうやって広まっていったのだろうか。

と考えていたら、合唱コンクールでも、同様にダメ金と呼ぶそう。なんとも複雑な思いが駆け巡る言葉だなぁ……。

近年、吹奏楽部はメディアでの露出が急増して、コンクールのチケットは全然買えない。予選からしてプラチナチケット。わたしの地元の北海道大会も、夏に見に行った大阪府大会も、みんな大行列。ずいぶんと盛り上がっていて、すごい時代になったなぁ…と、感慨深くもある。

地区大会で夏が終わった人もいれば、おもに9月に行われる支部大会で終わった人もいるだろう。この後にもまだ演奏会が控えている学校もあると思うけれど、多くの3年生は、ここで引退。

悔しい人もいれば、やりきったと思える人もいるであろう夏を終えた3年生たちに伝えたいのは、この「1つの目標に向かってひたすらがんばる」ということが、どれだけ尊くて、これからの大きな糧になるかということ。これは、中高生の当事者の頃にはなかなかわからなくて、大人になってからしみじみと実感するものだなぁと思う。

「みんなで1つのことを一生懸命にがんばる」ことって、大人になると、なかなか機会がないもの。そしてその経験は、社会人になってからも、いろいろな場面で必ず心の支えになる。そして、その想い出と仲間たちは一生の宝物になる。

今、悔しくて心にぽっかりと穴が空いている人もいるかもしれない。わたしも中2の頃、ダメ金で普門館行きを逃し、それまでの人生で一番泣いた。どうやって家に帰ったか覚えていないくらい、泣いて泣いて泣いた。でも、この時の挫折があったからこそ、「高校では絶対に普門館でゴールド金賞を取る!」とはっきりと目標を定め、実現し、現在に至る(間飛ばしすぎだけど・笑)

悔しい気持ちは、これから進学しても、社会に出ても、必ず何かの糧になるはず。そして、みんなでがんばってきた3年間なり6年間なりが、何物にも代えがたい想い出になる日が、必ずやってくるはずだから。

都大会では、今年から「普門館賞」というのが設立され、佼成文化協会より、都大会全出場校に贈呈された。白い箱の中身はメトロノームとのこと。ツイッターで「あの箱の中身はなんだろう」とツイートしたら、「メトロノームです! 僕らももらいました!」と、どこかの生徒さんが教えてくれた。ありがとうございます!


「普門館賞」について

都大会は、40年間の長きにわたり、普門館をコンクール会場として借りてきた。そう、都大会も普門館だったんだよね。うらやましい! 佼成文化協会からは、「今後ますますの吹奏楽の発展を」という願いを込めての贈呈。「吹奏楽の甲子園」として多くの学生たちが憧れてきた普門館が、耐震問題で使えなくなって以降、近年は名古屋国際会議場で全国大会が開催されている。この「普門館賞」を通じて、普門館の名がいつまでもみんなの記憶に残るといいなぁ…と思いつつ、こんな賞があって東京はいいなぁとも思ったり。

全国各地の激戦を勝ち抜いてきた29団体が、来月の全日本吹奏楽コンクールに臨む。全国まであと1カ月弱、この1カ月でもまだまだ伸びるから、中高生ってほんとすごいと思う。

来月、わたしも取材で行く予定。1カ月間、あれやこれや、仕事いろいろがんばろう!


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