福島取材で思ったこと

2011年7月16日

14、15と1泊2日で福島に取材に行ってきた。
うめブロ
のどかで美しい田園風景。
最初に訪れたのは、郡山市。
福島自体初めてだったんだけど、
「どんな感じなんだろう」と思っていたら、
ごくごく普通の日常。
テレビのニュースでは、マスクしてたり子どもに長袖着せたり。
でも、郡山ではまったくそんな光景は見ず。
撮影終了後、田村市に移動して
勝間和代さんと西口敦さんの講演会の取材。
翌日は、原発20キロ圏内立ち入り禁止区域まで行ってきた。
うめブロ
厳重な警備。
Jヴィレッジから出て来る車には、
白い防護服とマスクで完全武装した人達。
原発方面からくる車も同様。
線量の問題で、こうやって頻繁に作業員の方を入れ替えているんだろう。
我々がカメラを向けていたので、
車の中からピースしてくれた防護服の男性もいた。
「えっ!?」とびっくりして、思わずなごんでしまったけれど、
収束作業の無事を願うばかりだった。
それにしても、あまりにも異様な光景。
直接目にすると言葉も出ない。
津波の被災地にも行った。
うめブロ
ランドセルがまだ残ったまま。
うめブロ
切なすぎる光景。
今回お世話になった地元の方々から、
「僕たちは怖くて東京に行けないんです」と言われて、
「どうしてですか?」と聞くと、
福島ナンバーというだけでガソリンスタンドでの給油を断られたり、
お店への入店を断られたり、
差別を受けた知人が何人もいるとのこと。
もう、悲しくて信じられなくて、涙が出そうになった。
なんでそんなことができるんだろう。
「東京から来てくれて本当にうれしいです。勇気が出ました」
とも言われて、
ただ来ただけでこんなに喜ばれるなんて、
やっぱりおかしいよって思った。
「僕たちは、こうして福島で生活しています。
どうか、差別しないでくださいって、広めてほしいんです」
もう、胸が痛かった。
こんなにあたたかい人達が、こんなに悩んで心を痛めて、
どうしてこんな世の中になってしまったんだろう。
放射能が気になって仕方ない人は、
一度福島に遊びに行ってみるといいと思う。
「神経質になりすぎていたかも」って思う人もいるだろうし、
みんな普通に暮らしていて、いろいろ感じることがあると思う。
町にもよるだろうけど、全員がマスクと長袖な訳じゃないよ。全然。
服装は東京と何ら変わらない。
そりゃ、「福島全部が安全です!」とは言わないよ。
立ち入り禁止区域の手前は1.7μSvだったし、
今日も規制値越えのシイタケがニュースになっている。
でも、町によって数値は全然違うし、
他県でも、福島県内より高いところだってある。
福島で普通の暮らしを送っている人がたくさんいる、
という現実を、少しでも多くの人に感じてほしい。
そしたら、差別なんてひどいことはとても出来ないと思うから。
福島とても美しい町だった。
「うつくしまふくしま」の意味がよくわかった。
緑の濃い山と田んぼ。広くて青い空に大きな入道雲。
風景がとてもきれいで、車窓から飽きずにずーっと外を眺めてた。
行けて本当に良かった。いい経験をさせてもらえた。
こういう機会に恵まれて、自分は幸せだと思う。

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