最近よく、
「梅津さんはどうして締切守れるんですか？」
と聞かれる。
今まで、一度も破ったことがない。
当たり前である。
だって、約束だもの。
「ライターと連絡がつかない」
「締切なのに原稿が来ない」
という編集者の声を、ほんとにしょっちゅう聞くけれど、
同業として不思議でしょうがない。
そして、編集者が気の毒で仕方ない。
なんで逃げる？
なんで約束守らない？
仕事なくなるよ！
と思うんだけど、違うかね(゜-゜)。
自分が締切を厳守するのは、
「約束を守るのは当たり前」ということもあるんだけど、
実はものすごいトラウマがあるのだ。
フリーになる前、編プロで月刊誌作ってた頃、
絶対に締切を守らないライターがいた。
20時（締切）
もちろんこない。電話すると「あとちょっとで送ります」
22時
まだこない
23時
最初の2P分だけくる。
「残りどうなってます？」「もうほぼできてます」
24時
こないからアウトドア用ベッドで仮眠
1時
次の見開き分くる。電話かける→出ない
3時
さみだれで少しずつくる。
本気でヤバいので一部手伝って書く
5時
ようやく全部揃う。入稿作業。
大日本印刷の便に間に合わず（無念）
6時
始発で泣く泣く市谷へ。
守衛のおじさんに挨拶して大日本に入稿物を届ける
7時
市谷のモスバーガーでぐったり朝ごはん
ということを毎月繰り返してみー！
貧乏編プロでタクシーとか使わせてくれないから、
オノレ便で印刷所へ持ち込みよ！　毎回毎回。
だからわたしは市谷駅がトラウマで大嫌いなのだ！（ﾌﾝｶﾞｰ）
あの駅で降りると、いまだに動悸息切れが…((((;゜Д゜))。
他にも、いつ電話してもつかまらないライターとか
締切メールで伝えてもとぼけるライターとか。
理由はいつも以下のとおり。
●地下にいてつながらなかった
●え？　メール？？　来てませんよ
なんでいつもいつも地下にこもってるんだよ！
なんでそんなにいつもメールエラーなんだよ！
ま、どれもウソってことはこっちもわかっている。
とにかくいつもいつも困らせられてた。
でも、ペーペーの自分には、
ライターをほかの人に代える権限もなかった訳で。
こういう経験があったからこそ、
自分は「絶対に編集者を困らせることはしない」と
固く誓ったのだった。
「どうしてもこの人の文章じゃなきゃ」
「いくらでも待つから書いてほしい」
という天才肌の人は別だけど、
そうじゃければ、締切守ってなんぼでしょ。
でも、長く活躍している売れっ子の人って、
漫画家でもイラストレーターでもエッセイストでも、
きっちり締切守る人が多い気がするなぁ。
だから、人気が集中するんだね。
という訳で、これからもコツコツまじめにがんばろー。
当たり前のことを、当たり前にやるフリーランスでありたい。
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