本日公開。映画「猫なんかよんでもこない。」
2016年1月30日
本日1月30日(土)、全国で公開される映画「猫なんかよんでもこない。」。
原作の漫画も読んでいたのだけれど、実写映画もとてもとてもよかった。
ボクシングに人生を捧げるミツオ(風間俊介)と、漫画家の兄貴(つるの剛士)。兄貴が拾ってきた子猫との何気ない、でもかけがえのない日々を描いた、すごく素朴でリアルな実話。
なんというか、ものすごくよくある話すぎて、動物好きなら涙なくしては見られない。
捨てられている子猫をみかけてしまうとほっとけない。
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猫を飼ったことはないけれど、ほっとけないし、ちょっと面倒みるか。
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だんだんかわいくなってきた。
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もうこの子たちのいない生活は考えられない。
という、ごくごくありふれた、日常のストーリー。
でも、何気なく猫を飼うとどうなるか。知識のないまま猫を飼うとどうなってしまうのか。
劇的な場面もなければ、ドラマチックな展開もない。
ただただリアルな、ひとり暮らしの男と猫との暮らし。
ひと足先に試写会で見た時、ほとんどのメディア関係者がハンカチを出してすすり泣いていた。
もう、わたしはすすり泣きなんかじゃすまなかった。
犬に比べて猫はまだまだ野良が多く、野良猫が生んだ子猫も無数にいるため、生まれたばかりの子猫を拾って飼う、ということは、日本中で日々繰り返されている。
動物と暮らすには、覚悟が必要だ。
お金もかなりかかるし、健康に関する知識も必要。飼い主もきちんと勉強しないといけない。それくらい、生き物と暮らすのは責任が伴うということ。
いま、ちまたでは猫ブームといわれている。
あちこちの雑誌で猫特集が花盛りだ。
ブームになると、確実に捨てられる猫も増える。
わたしの元にも、新聞社から猫ブームについての取材依頼が来る。
「景気が悪くなると、犬よりもお金がかからない猫のほうを飼う人が増えるということでしょうか」
「そうですね」
と答えてほしいのだ。わたしに。
絶対そんな答え言わない。だから、そういう取材は全部断っている。
「犬より猫のほうがお金がかからない」だなんて、そんな訳ないですよ。
どんな動物でも、ペットと暮らすにはお金がかかってあたりまえ。
犬も猫も、安易に飼う人がいるから、捨てられる子たちが毎日毎日いるのだ。
保護犬・猫事情を長年追っているからこそ、ペットと暮らすことは本当に慎重に考えてほしいと、心から思う。
十数年面倒を見続ける覚悟と経済力はあるのか。
自分にもしものことがあったとき、代わりに面倒を見てくれる人はいるのか。
最低でもこの2点をクリア出来なければ、動物と暮らしてはいけないと思う。
登場する猫、クロとチンはめちゃくちゃかわいい。やらせっぽいシーンはなく、とてもすごく自然な姿ばかりで、撮影がめちゃくちゃ苦労したことは見ただけで想像がつく。猫はいうこときかないからね。
でも、ただのかわいい猫映画ではない。
やたらとメディアで猫が取り上げられる今だからこそ、多くの猫好きに見てほしい作品です。
「猫なんかよんでもこない。」公式サイト
http://nekoyon-movie.com/
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